2013年5月5日日曜日

「Live in Japan 1989」アトール



フランスのシンフォ・バンドAtollは1972年結成され、高水準なアルバムを4枚を残し1981年に解散します。しかし1989年に新作「L'Ocean」(1989)を発表し再結成します。この時奇跡の来日&全国ツアー(大阪、川崎、渋谷、札幌)を行なった際の東京公演でのライヴ映像です。

曲は傑作3rdアルバム「Tertio」(1975)から「Tunnel Part II」。

[members]
Paoul Leininger(ボーカル)
Christian Beya(ギター)
Jean-Pierre Klares(ベース)
Gilles Bonnabaud(ドラムス)
Nathalie Gesher(キーボード)

この再結成バンドでは、1970年代に傑作群を発表していたメンバーはギターのクリスチャン・ベアのみ。クリスチャン以外のメンバーが当時のメンバーと比較してしまうとどうしても個性や力量の面でもの足りず、さらにサウンドメイキングとしても音が薄く深みがないため、クリスチャン・ベアのギターばかりが目立っています。
 
時代的なものやバンドのコンセプト的なものの違いもあるとは思いますが、アンドレ・バウザー(Andre Balzer)の力強い歌声に比べ、パウル・レナジーのボーカルも声や表現があっさりしています。もっともボーカリストとしてアンドレが凄すぎるんですが。
 
しかしその孤軍奮闘のクリスチャン・ベアのギターが良いのです。実に良い音で流麗に弾きまくっています。特にこの「Tunnel Part II」ではドライヴするギターでグイグイと曲を盛り上げていきます。

これは当時市販されたライヴ・ビデオの映像ですが、プロ・ショットと言うには残念なレベルです。しかし70年代の彼らの映像が(今のところ)残されていないようなので、動くクリスチャン・ベアという点からも、今となってはとても貴重な記録と言えるでしょう。
 





0 件のコメント:

コメントを投稿