2013年4月12日金曜日

「Zuckerfabrik Stuttgart 1978」エニワンズ・ドーター



ドイツのメロディアス・シンフォ・バンドAnyone's Daughterが1978年にシュトゥットガルトのスタジオで行なったライヴ映像。曲は傑作1st「Adonis」(1979)収録の組曲「Adonis」から、そのパート1「Come Away」。ということはアルバム・デビュー前のライヴと思われます。

[members]
Uwe Karpa(ギター)
Kono Konopik(ドラムス)
Harald Bareth(ベース、ボーカル)
Matthias Ulmer(キーボード、ボーカル)

ハラルド・バレスの甘くジェントルな歌声、そのハラルドに時にハモりながら美しいシンセソロを聴かせるマティアス・ウルマー。繊細なアルペジオと情感豊かな泣きのソロで曲を盛り上げるウヴェ・カルパ、そしてタイトで無駄の無いドラミングで曲を引き締めるコノ・コノピック。

4人の素晴らしいアンサンブルとドリーミーな楽曲は英国のCamelを思い起こさせますが、胸が締めつけられるようなメロディーとボーカル・ハーモニーは時にCamelを凌ぐかと思わせるほど。

ゆったりとした7拍子で曲が進みますが、表情豊かに曲が進行していくので冗長さはまったく感じられません。ハラルドの英語がちょっとぎこちなく聞こえるところもありますが、それもまた味と言えるでしょう。

1979年のアルバム・デビューし1980年代半ばまで活動していたことを考えると、プログレッシヴ・ロックへの風当たりが強くなったこの時期を、旺盛な活動と質の高い作品で支えた貴重なバンドとも言えそうです。各楽器の70年代的な音がとても嬉しいですね。