2013年2月9日土曜日

「Brunel University 1973」エレクトリック・ライト・オーケストラ



1970年代後半にはポップな作品で大ヒット曲を連発するElectric Light Orchestra(ELO)ですが、1971年のデビュー当時はバンド内にミニ・オーケストラを擁するという斬新なコンセプトのバンドでした。

その大黒柱の一人ロイ・ウッドが(Roy Wood)が抜け、ジェフ・リン(Jeff Lynne)主導で再編されたバンドは、ギター、ベース、キーボード、ドラムスにチェロ×2、バイオリンという7人編成で再出発します。

ここに収録されたライヴは、1973年にBrunel大学で行なわれたものです。

[members]
Jeff Lynne(ギター、ボーカル)
Bev Bevan(ドラムス、パーカッション)
Richard Tandy(キーボード)
Mik Kaminski(バイオリン)
Hugh McDowell(チェロ)
Mike Edwards(チェロ)
Michael d'Albuquerque(ベース、ボーカル)
  
[set list]
1. King Of The Universe
2. Ma-Ma-Ma Belle
3. In The Hall Of The Mountain King
4. Great Balls Of Fire

  
もともとポップな面が強く、“ロックとクラシック”というよりは“ロックンロールとクラシック”、あるいは“ポップスとクラシック”を融合させたようなサウンドだったELOですが、このステージからは、当時の彼らがとても個性的なライヴ・バンドだったことが分かります。

ジェフ・リンとマイク・アルバカーキの見事なハーモニーによるポップな曲の合間に、突然非常にクラシカルな弦楽パートが挿入されたり、バイオリンやチェロ奏者が演奏しながらところ狭しと動き回ったり。特にウルフ・ギブソンのバイオリンはソロにバッキングに大活躍です。

後にさらにポップ化が進みますが、この時点では雰囲気がかなり“プログレ”してます。ライヴバンドとしての個性は、この頃が一番強烈だったかもしれません。弦楽メンバーの存在感が際立ってますね。

1970年代後半にヒットチャートを席巻した“全盛期”とは違う、もう一つの“全盛期”が感じられる貴重な映像と言えるでしょう。ジェフ・リンがトレードマークのサングラスをまだかけていないのも新鮮です。